どんな症状なの?
普段電気信号のやり取りで情報を伝える脳の神経がバランスを崩し、一時的に過剰に興奮してけいれんや意識を失ったり、様々な発作が引き起こされる状態です。脳の外傷や腫瘍、奇形など原因が分かっているものと何故神経の過剰な興奮が起きるのかが分からない原因不明なものがあり、原因不明なものの方が数が多いとされています。発症する年齢も小児だけに限らず、どの年齢でも突然発症することがあり得ます。
症状としては実に様々な発作があり、身体が突っ張ったり、ガクガクとけいれんしたり、脱力するものもあれば、視覚や聴覚といった五感に障害が起きるもの、精神状態に障害が起きるものもあります。
病院ではどんな治療をしているの?
発作の治療の基本は抗てんかん薬療法で、難治性のものには条件が合えば手術による治療を行うこともあります。また、治療は長期となることが多く、症状が落ち着き発作が出なくなってからも急に服薬を止めると反動で発作が増えることがありますので、止めるとなってもゆっくりと減らしながら、様子を見ながら服薬を止めていきます。
鍼灸ではどのように考えているの?
東洋医学では『癇症(かんしょう)』といい、何らかの原因で気の巡りが失調し陰陽のバランスが乱れ、頭の中の気が乱れることで起きるとされています。
治療はどのように進んでいくの?
気の巡りの悪さや詰まりを取り、陰陽のバランスを整えていくのを基本に、出ている症状に合わせて治療目標とする経絡を定めていきます。 また、身体に治るきっかけを与えるために、治療を始めてから10回程度は治療間隔が開きすぎないように(週2〜3回)お奨めしています。 鍼灸治療は服薬治療に害となることはありませんので、服薬は普段と同様にして頂いて構いません。症状が軽減すると薬を飲まなくてもいいかと質問してくる方もいますが、上記しました通り、急に服薬を止めてしまうと反動が出て発作が増えることもありますので、服薬に関してはかかりつけの医師に相談するようにして頂いています。