どんな症状なの?
日本睡眠学会という研究機関の定義では
入眠困難(寝付きにくい)、途中覚醒(眠っても途中で目が覚めてしまう)、熟眠障害(ぐっすり眠った気がしない)、早期覚醒(普段よりも二時間以上早く目覚めてしまう)
のどれかの症状が週二回以上見られ、その状態が少なくとも一カ月以上持続し、不眠の為に自らが苦痛を感じたり、社会生活または職業的機能が妨げられることとされています。
他にも眠れないことからくる不安感や身体のだるさ、頭痛、思考力の低下など様々な症状が関連して引き起こされます。
病院ではどんな治療をしているの?
原因を特定し排除することと服薬治療を併せて進めていきます。おもな原因として考えられているものとしては、身体の不調、環境変化、精神的ストレス、心の病気、薬やアルコールなどとされています。服薬治療では上記の定義のなかで出てきたタイプに合わせて治療薬を決定していきます。
鍼灸ではどう考えているの?
日中身体中を巡っている血(西洋医学での血とは少し異なります)が夜になっても戻るべき場所(肝)に戻らないことから起こると考えています。東洋医学の考え方では血が夜中になって戻るべき場所に戻ることで眠る準備がなされ眠くなります。この血は精神的ストレスや疲労、飲食の不摂生、慢性疾患、高齢などが原因となり、流れが滞ったり消耗し、不眠の症状が現れると考えています。
治療はどのように進んでいくの?
生活環境・習慣・食事内容などで改善するべき所がある場合は、まずそちらを自覚し改善できるようにお話していきます。服薬している薬などもそのままお飲み頂いてかまいません。薬に関しては急にやめてしまうとよくないものもありますので、必ず医師と相談してからやめるようにお願いしています。
また、治療の期間や頻度は個人差があるので一概には言えませんが、一般的に不眠で悩んでいるのが長期間である程治療効果が出るまで時間がかかることが多いようです。逆に日が浅いものや、程度が軽い方であれば比較的早く効果を実感できることが多いです。ですので、症状が重く辛くなってからではなく早め早めの治療をお勧めしています。また、治療を進めていく中で、ある程度症状が回復した方がご自分で勝手に治療を打ち切られてしまうことがありますが、再発を防ぐ観点からも鍼灸師の治療に対する指示は必ずお守り下さいますようお願いします。