どんな症状なの?
良くなったり悪くなったりを繰り返すかゆみのある湿疹を主症状とする疾患です。乳幼児期から見られ、成長するにつれて症状の出やすい場所が変わることでも知られています。乳児期では顔面部、幼児・小児期では首の回りや肘・膝の裏など、思春期・成人期では上半身(顔・頸部・体幹部)に症状が出やすいといった具合です。
顔面部などの人から見えやすい部分に症状があると、外出や人に会ったりすることが億劫になったり、暑くてもしっかり着込んだりと人目を気にされてしまう方も多くいます。
なぜこのような症状が起きるのかと言うと、そこには人の体に備わっている外から入ってきた外敵を攻撃する仕組み(免疫)が関わっているものが多いです。本来免疫というのは菌やウイルスなど身体に害を及ぼすもの
(外敵)を攻撃し、悪さをしないように抑えています。しかし、アトピー性皮膚炎のようなアレルギーを持っている人はこの免疫が本来直接悪さをしないもの(ほこりやダニ、食物など)にまで過剰に反応、攻撃しその攻撃が身体に悪影響を及ぼしてしまうのです。
病院ではどんな治療をしているの?
まずどんなものにアレルギーがあるのかを知るために検査を行い、それを踏まえ生活環境の改善と薬物療法を行います。主に塗り薬が処方され、非ステロイド剤で症状が改善しにくいものはステロイド剤を用いていきます。症状が強く塗布薬で間に合わないと判断された場合には、内服薬が用いられることもあるようです。
鍼灸ではどのように考えているの?
皮膚の栄養や気の流れを担当している経絡に変調が起きやすいと考えられていますが、人によって症状の出かたが異なるので、皮膚症状やその他の症状を触診や問診で探り、症状の原因となっている経絡を鑑別していきます。痒みが激しいかどうか、乾燥が強いのかどうか、ジュクジュク感があるのかどうかなど皮膚症状はもちろん、その他の症状(便秘や下痢、冷え、ストレスなど)も聞いていくことで、原因を特定していきます。
治療はどのように進んでいくの?
治療もそうですが、生活環境・習慣・食事内容などで改善するべき所がある場合は、まずそちらを自覚できるようにお話していきます。これは病院とも同じだと思います。また、数回の治療ではなくしっかり根気よく週1〜2回を目安に通っていただくように説明をしています。アトピー性皮膚炎では変化が出るまで、人によっては半年以上かかることもあるからです。自然治癒力を高め再発・悪化しにくい身体を作ることを目標とします。